読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

名前のない日記

俺の俺による俺のための憑き物落としをしています。

衛宮士郎が俺に教えてくれたこと

これだけは最初に書いておきたい。

俺は本気だ。

ずっと二次元さえあれば生きていけると思ってた
どのように書くのが良いか、判断が付かなかったので幾つかの小見出しごと..
二次元や趣味そのものは『後になにも残してくれない』かも知れないけれど、それを通して築き上げた人間関係は一生ものの財産になる - 自意識高い系男子

この増田さんが後悔してるのは、「二次元に没頭したこと」じゃなく「二次元にかまけて、それ以外のつながりを作ることを疎かにしてしまったこと」なんだよね。

たにし (id:Ta-nishi)さんのおっしゃる通り、二次元趣味も突き詰め方によってはリアルの繋がりを豊かにするのは間違いないし、それは俺も実感しているんだけど、増田さんはそれすらも二次元に「かまけて」、あるいは「言い訳にして」、してこなかった。

だから、この文章における「二次元」は変数であって、別のもの(例えば「アイドル」とか)が代入されても全く問題なく成立する。


俺自身もこの増田さんと同じように、いわゆる「エロゲ」にハマった経験がある。だが、俺はこの増田さんのようにそれ一本槍になるのではなく、他の色々なものに並行して手を出していたクチなので、そこまで外界と没交渉になったことはない。*1

しかし、「エロゲ」趣味が嵩じてとうとう「創作」に手を出してから、自分の世界が爆発的に広がった。まぁ具体的に言うと二次創作系のサイトを立ち上げたという話なんだが、そこを起点に同好の士との交流が生まれたわけだ。

色々あった。良いこともあれば、悪いことも。

俺はこの増田さんに「お前もそうすればいいじゃないか」と言いたいわけではない。

それは、この時のつながりは、現時点でカケラも残っていないからだ。ライフステージの変化もあって、俺がその世界から離れだしたことも一因ではあるが。

結果的に今俺の手元にあるのは、増田さんの言う「思い出」だけだ。美しいかどうかも、今となってはわからない。


増田さんは最初の記事でこんなことを書いていた。

思い出は美しいが、その思い出で自分は一体何を得たんだろうか。

人間が生きる過程で得るもののうち、最後まで残るものなんて、極論を言えば「思い出」だけだ。

人間関係も、親子関係も、地位も、名誉も、金も。

どれも全て、消える時にはあっさり消える。そもそも人間死んだら、その全てに意味などないのだ。

人間は裸で死ぬ。あの世に持って行けるものなんて何もない。

そういう意味では、この世の全ては等しく無価値であり、等しく価値がある。

だから、二次元にのめり込んだ日々が増田さんに何らかの「思い出」を残してくれたのだとしたら、それはそれでその価値は認めるべきことなのだと俺は思う。

神岸あかりを本気で愛しく思っていた日々を、
綾波や惣流の末路に憤ったあの感情を、
真琴にみかんを剥いた祐一の手つきに流した涙を、
桜を殺すか否かで逡巡する衛宮士郎の苦悩に感じた「正義」の意味を、
「適応係数84」黒須太一の絶望に抱いた共感を、
娘の前で涙を流した岡崎朋也から学んだ「過去を受け入れる」ということを、

少なくとも俺は、それらを無駄だとは思わない。

「借り物」などではなく、自分で、自分の意志で選び取ったそれらを、俺はけして後悔しない。

そういうことを、俺は衛宮士郎に教えてもらった。

*1:余談だが、一つのことにそこまで没入できるのは一種の「才能」だから、大事にした方がいい場合もある。俺のような凡人にとって「それ」は、不可能なことだったのだから。