名前のない日記

俺の俺による俺のための憑き物落としをしています。

「夏はこれからだ!」を歌っていた後輩の話。

最近Google play musicのアップロード機能を使って、自前音楽ライブラリをクラウド化した。PCからのアップロードはそれなりに時間がかかるが、一旦上げてしまえばダウンロードするだけなので後は楽ちんだ。残った洗い物をしながら適当に聞いていた。こんなふうに毎日がだらだらと過ぎていく、というわけで福耳「夏はこれからだ!」が流れた。

この曲を知ったきっかけは会社の慰安旅行(比較的強制性の薄い、というか有志)の夜にメンバーと行ったカラオケだった。この曲を歌ったのは当時二十歳になったばかりの同僚女性社員だった。

聞いたことのある人はわかると思うが、数人で歌っている曲なので一人で歌うにはなかなかキツイ曲だ。しかも、そこまで万人受けしないというか、いやまぁ曲自体はメジャーな響きなので別に悪いわけじゃないが、俺ですら知らなかったので、他の年配のメンバーはほとんどわからなかったんじゃないだろうか。職場で行くカラオケで、そういう趣味系の選曲をする彼女のチャレンジ精神にまず軽く尊敬の念を覚えた。

彼女は歌がそれほどうまいわけではなかったが、その人柄とも合わせてどこか好感が持てる歌い口だった。俺の持論だが、歌には人格が現れる。

旅行から帰った後、彼女の歌が印象に残っていた俺は、その曲について調べた。福耳といえば俺の中では、山崎まさよしスガシカオ、杏子だったが、調べてみるとこの曲のメインを張っているのはスキマスイッチ秦基博元ちとせあたりらしかった。多分だけど、彼女は秦基博のファンなんじゃないかなと思った。いや、スキマかもしれないけど。


愛は今からだ!
夏はこれからだ!


と夏の終わりに歌う彼女は今思い出してもなんかいい感じだった。

それから少し後で彼女は異動になり、そのもう少し後に俺も異動になった。同じ社内にはいるものの、廊下ですれ違った時に軽く会釈する程度の間柄になった。あれからもう5年は過ぎただろうか。彼女はもう歳相応の落ち着きを身に着けているように見えた。

ちょっとしたトラブルにも目を白黒させていた彼女はもうどこにもいないのかもしれない。彼女は今でもカラオケで「夏はこれからだ!」を歌うのだろうか。今歌ってくれるならラップの部分は俺が担当してやるのに、と思ったりもするが、よほどの偶然でもない限りそんな機会は多分訪れない。



福耳 / 夏はこれからだ!