名前のない日記

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桃鉄では収益物件に投資するのに、現実ではなぜしないのか

みんな桃鉄では収益物件買うのに、なんで現実世界で投資しないの? - ぐりぶろぐ

読みました。暇なので「桃鉄では収益物件に投資するのに、現実ではなぜしないのか」について思いつくまま列記してみたいと思います。素人の戯言の上まとまってないのでそこはご容赦ください。

1.現金の枯渇リスクがない

現実世界で「現金がなくなる=倒産=ゲームオーバー」です。現金がなければ従業員の給与も払えません。秘書も「現金が足りませんぞ!!」とか言ってる場合じゃない。現実なら普通に労基(もしくはハロワ)駆け込み案件です。

桃鉄世界でのマイナス表記を負債と理解すれば、冬の赤マスに飛び込むような素寒貧にも誰かはお金を貸してくれているんでしょう。ありがたいですねー(小御門風に)

現実には、そんな計画性のカケラもない、キングボンビーに取りつかれて事業が好転する見込みも立たない事業者にお金を貸す馬鹿は(基本的には)いません。

2.不動産の売却に関するリスクが(ほぼ)ない

桃鉄世界で物件を買うと売却価格は一律で投資額の半額に設定されています。桃鉄だと通常のプレイでは普通しませんが、確か随意のタイミングで物件売却も確か可能だったような気がします。現実に立ち戻って考えると、売却価格がいついかなる場合でも一律価格で売却可能、というのは中々凄いことです。

通常、不動産価格は景気や周辺状況によって変動します。バブル期に買った不動産が今では10分の1以下になってしまい、売るに売れず含み損を抱えたまま放置、なんてよく聞く話ですSHINE!

ていうかそもそもオールウェイズで買い手がつくのもすごい。売りたくても買い手が中々現れない、なんてよくある話なんですが、桃鉄世界では、あれは政府が買い上げてるイメージなんですかね。*1色々太っ腹な国民ですな。

余談ですが、売却する場合は一律半額なのに、決算上の資産評価額は全額計上(だったと思う)って、桃鉄世界の資産評価ってどうなってるんですかね。売価(時価)が一律で半額、償却もしない前提だとしたら、常に物件資産の半額分の含み損を抱えてることになってしまい、それはそれで中々凄い状態ですね。

3.投資利回りが永続的に一律

これにはいくつかポイントがあるので、ポイントごとに整理します。

(1) 初期投資(建築コスト)が一定

昨今の建築費高騰の流れを見てもらえばわかりますが*2、その時々の景気動向含む様々な要因によって単価は変わっていきます。桃鉄世界と違って、現実では小渕沢の弁当屋はいつもいつでも1000万円で建てられるわけではないんですね。そりゃそうだ。今の単価は下手すると安い時期の1.5倍くらいになってる、なんて話もあります。そんな世知辛い現実とは違い、桃鉄では「今年は建設費高騰のため物件価格が1.5倍になります!」なんてありませんよね。

初期投資額増は次に述べる利回りにも影響してきます。

(2) 投資利回りも一定

不動産の投資利回りの見方は色々あります*3が、収入から費用(管理費、租税公課など)を引いた額を「利益」として初期投資額で割った「実質利回り」で見るのが適当かなと思います。*4

桃鉄でいう「1000万円の物件が50%の収益」とは、経費等を支出していない以上「初期投資額に対する実質利回りが50%」という意味なので、これは不動産投資的(その他の事業としては知らん)には非現実的な数字です。普通の新築マンション投資だと2~4%あれば、みたいな話らしいですしね。しかも都内。*5

経費の部分はある程度固定的にかかってくるのに対し、こちらが期待する収入が発生するかどうかは、その建物について「借り手が現れるか」「その借り手はこちらが期待した賃料を払ってくれるか」という点にかかってきます。当たり前の話ですが、投資家的にはその点を担保するのは中々難しいことです。「○○円の賃料収入を見込んでたのに、借り手が現れないことから賃料を下げざるを得ず、結果的に××円しか得られなかった」なんてよくある話。そしてそれらは全て投資利回りの悪化につながっていきます。

桃鉄には「カニ漁船」(だったっけ?)みたいに年によって収益率が変動する物件がありますが、それをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。まぁ実際はそこまでボラ大きくないですが。

(3) 経年劣化もしない

現実の不動産は年と共に劣化していきます。竣工当時は流行の最先端を行くファッションビルだったのに、何も手を入れずに30年もほったらかせば立派なオンボロビルの出来上がりです。

劣化するのは建物だけではありません。年を経るごとに収入もどんどん小さくなっていくのが普通です。物件の価値を出来る限り保ち続けるために、世の不動産オーナーたちは頑張ってリニューアル工事をしてみたりテナントを入れ替えたりするわけですが、時の流れには逆らえない、というのは人間も不動産も同じです。*6

 

書き出せば他にもあるかもしれませんが、疲れたんでもうやめときます。

まとめると、桃鉄世界ではほとんどの場合一定の収益を永続的に約束してくれる。変動もない。劣化もしない。不動産事業者の夢を具現化したマーブルファンタズムみたいな世界です。加えて、キャッシュフロー破たんリスクも流動化リスクもほとんど皆無に等しい。現実にこんな物件があったら、何百億円借金してもいいから買うべき、という話になるでしょう。

それらを踏まえて、元記事の「なぜ現実で桃鉄のように投資をしないのか」に返すとすれば「桃鉄にはなくて現実にはある様々なリスクが取れないから」という答えになるでしょう。逆に言えば、それらのリスクを取れると判断できるなら投資すべきと言えるんじゃないでしょうか。

元ブログでは投信について薦められてますが、僕は投信詳しくないのでよくわかりませんが、その辺どうなってるんでしょうか。ローリスクで年利6%取れるならみんなやってると思うんですが、なぜみんなやらないんでしょうね?

*1:いたストだとプレイヤー同士で競売されますが。

*2:2016年の「建築需要」と「建築費」の水準は!?-建設統計からみた建設市場(1)|アーキブック

*3:不動産投資で成功するために知っておくべき利回り計算法

*4:事業として見る場合、利益から減価償却を引いた「営業利益」、借入金利息等を引いた「経常利益」なども見る必要があります。

*5:不動産投資で成功するために知っておくべき利回り計算法

*6:まぁインフレの流れになればそうとも言い切れないと思いますが、現実の賃料相場を眺める限り、賃料相場は上がってるところでは上がってるものの、建築コストほどの割合で上昇しているとは言えません。賃料相場が長期に渡って上昇するという想定は、現時点では描きにくいシナリオだということは間違いないと思います。