名前のない日記

俺の俺による俺のための憑き物落としをしています。

はてブするのも忘れて読み耽った本メモ

ここ最近、はてブを控えめ(当社比)にして読書に勤しんでおりました。おかげさまで無駄にイライラすることもなく、精神衛生的にも良好です。


というわけで、特に需要はないと思いますが読んだ本の感想を適当にメモっておきたいと思います。




盤上のアルファ (講談社文庫)

盤上のアルファ (講談社文庫)

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩をした同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。小説現代長編新人賞受賞作

主人公の「いかにも新聞記者」という傲慢さが鼻についたというのもあるけど、作中の随所に「これってもしかしてキャラ設定以上に素なのでは?」感があって、個人的にはあんまり合わなかった。あと、全般的に女性へ向ける視線にイヤらしさがあって、それもちょっとなぁ…と。



氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実──。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ、登場! <古典部>シリーズ第1弾!!

一応アニメもこの巻の展開までは読んでいたので展開はわかった上で。

こういう系の主人公だと「人と関わっていくって素敵だよね」方向に進むのが普通なんだけど、例の30年前の事件を教訓に「灰色も悪くないのかもしれない」と思い直すのは、ちょっとひねくれてていいなと思った。



砂の器〈上〉 (新潮文庫)

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。

映画は有名みたいだけど、未視聴。読んだ後にどういう映画かを知ったんだけど、原作を考えると「そこか」って感じではありますね。慧眼だと思います。少なくとも原作のテーマはそこじゃないと思う。

徐々に謎が明らかになっていく快感ってありますよね。氷菓みたいな短編ミステリもいいけど、こういう超長編もいいなぁと改めて感じました。

しかし色々超展開があって、個人的に中でも極め付けと思うのは、「電車から紙屑撒いてる女がいたwww」というコラムを読んでピーンと来て、撒かれた箇所に当たりをつけて捜索し無事血痕の付着した布きれを見つけるくだり。しかも一人で。警察犬も使わずに。すげぇ。



ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。死傷者五十人以上。島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。テロの犠牲者の中には、二十二年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。島村は容疑者として追われながらも、事件の真相に迫ろうとする――。小説史上に燦然と輝く、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作!

Amazonレビューに「団塊世代ライトノベル」とあって、上手いこと言うもんだなぁと思った。元々主人公が魅力的すぎるのがそもそもの原因みたいなもんだしね。頭もキレる。「何もなければ世界いってた」と言われるほどボクシングの才能もあった。これぞまさしく俺tueeee!!

ちなみに、俺はラノベ大好きなので楽しく読めました。



ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!

本格ミステリですね。本作の目玉は○○トリックなんだけど、改めて読み返してもアンフェア感がほとんどなくて、個人的にはすごく好きでした。「ひっかかるかな? ひっかからないかな?」という伏線の微妙さがいいです。

この作品とは全然別件で似たようなことを思ったんだけど、人間って実は「理解できないもの」を「理解できない」ままに放置しておくことがすごく嫌いな生き物なんだなぁと。

「理解できないもの」に出会ったらなんだかんだ屁理屈をこねくり回してでも理由をつけ、理解した気にならないと気が済まない。「どうして彼はハサミで喉を突き刺したのか」という問いに「理由がない」なんて思いたくない。「病気」とか「育ってきた環境」など無理やり理屈をくっつけ、安心したい。本当は「理由」なんてどこにも存在しないのに。

「理由なんてない。事実があるだけ」

奇しくも堀之内が言った通りだ。



前からそうだけど、やっぱ電子書籍は良いですね。本当にちょっとした時間でも本が読める幸せ。ページをめくる喜びはあるのかもしれないけど、少なくとも俺は多少高くても電子版を探しちゃうなぁ。